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Converted by Falcon Hive

2010/08/25(水)

  「踊っているあなたの頭の中では、いったい何が起こっているのか?」。Underworld・Karl Hyde初の個展が東京・ラフォーレ原宿6F・ラフォーレミュージアムで開催されている。

http://www.lapnet.jp/event/event_r100825/

  ロンドンのアート集団「TOMATO」の一員でもある彼の初の個展が東京で開催されるのは、Underworldとしての来日時はその時のライブが何度となく音源化されたり、ツアーの一環として幕張メッセ会場で特大のイベントを行ったりと彼の親日家ぶりを改めて感じ日本をとても贔屓目にしているからなのだという印象。初日の目玉、彼自身によるライブペインティングパフォーマンスを観た。彼の創造的衝動を尊重するため、限られた時間制限をなるべく設けずに、心の赴くままに断続的に会場に登場してペイントを進める方法が取られていた。(この模様はインターネット上でのUSTREAM中継も行われていた。)

  18時半頃、会場に入って作品を観賞。小さな段ボールにペイントが施されたものもあれば、2メートルを超す巨大なキャンバスの作品もある。また巻物のようなノートに描かれた端書や娘が描いたという落書きなども展示されている。アトリエで制作をしている様子をとらえた映像もプロジェクタで流されていた。会場の音楽はこのイベントの為にUWのもう一人のメンバーRick Smithが書き下ろしたものでCDが会場で販売されていた(「そうだ、同じようにいいぞ!」「仲人が必要」とか意味不明の日本語のサンプリング含む。これらは恐らく過去のUnderworld作品で使用されていた気がする)。ある対象物を写実的に描くことはほとんどされていなかった。彼の頭の中で起こっているイメージをそのままアウトプットしたような抽象的なものが主であった。

  気づくとKarl Hydeが既に会場に現れていた。Paul Smithの白カットソーにジーンズ、adidasのsuperstar(腕時計は多分データバンク)。展示フロアの中央に建てられた木製の小屋にペイントする。ぞくぞくと周囲をお客さんが取り囲んでいく。お昼から開始されているのだから、時間的にはほぼ出来上がっている作品に補足や仕上げをする工程、少しづ手を加えて全体のバランスを整えている作業局面のようだ。黒を少し混ぜたような暗いブルーを基調に、白黒のペンキやチョーク、クレヨンで小屋の周りを周回しながら全体を見渡して、時には脚立で屋根に上り、軒下を丹念に塗りこんだり。真剣そのもの。時々TOMATO/John Warwicker氏と何度か言葉を交わして何かのアドバイスを受けている。結構近いから話しかけられそうだけど空気に圧倒されて誰もがじーーと見入っていた。作品を観ていると独特のライン(曲線)がその中に存在するなぁと感じた。入口向かって左側の側面左下に白クレヨンで日付と”KARL”のサインが入った。完成ですとアナウンスがされると会場全体にに拍手が巻き起こった。

 うーん、UWで音楽をしているの時、彼は神だ。音楽ファンの自分はアート作成中の彼は普通の人間。作品制作にぐっとひきこまれる彼の横顔にこちらもぐっとひき寄せられる。瞬間、何十万人をも幸せにDancingさせる神の別部分を垣間見ているんだなと思った。バイタリティやエネルギーを感じた気がした夏のある日だった。

http://www.tomato.co.uk/
(MORE KARL AT LAFORET . 29/08/2010 . john の記事写真参照)

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